専門商社の商社マンってどんな仕事をしているの?

工業高校卒業後、工場のマシンオペレーターとして7年程勤務。その後、工作機械専門商社の営業に転職し現在4年目。ユーザー目線で現場主義の営業を意識しています。

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専門商社の商社マンってどんな事をするのかな?実際何をやっているのか知りたいな。

このような疑問に対して、現役の専門商社の営業マン(工作機械商社)の僕が、「専門商社の商社マンはどんな仕事をするのか」について解説します。

これから商社で働きたい、専門商社へ興味があるという方に向けて参考になれば幸いです。

専門商社とは?

専門商社とは、特定の業界などに特化して商品やサービスを取扱う商社のことです。

総合商社は幅広い製品やサービスを取り扱いますが、専門商社は特定の商品やサービスにおいて、深い専門性と幅広いネットワークを持つことが特徴です。

専門商社マンの仕事内容は?

専門商社マンの仕事内容は、扱う商品や業界によって異なりますが、一般的には以下のような業務を担当します。

1. 営業(法人営業が中心)

専門商社の主な役割は、特定の分野の商品をメーカーから仕入れ、企業(顧客)に販売することです。商社マンは企業のニーズを把握し、最適な製品を提案します。

  • 既存顧客へのルート営業
  • 新規顧客の開拓
  • 価格交渉・契約交渉
  • 提供する製品の市場調査

いわゆる外回り営業も一つですし、電話・メール・zoom等の内勤営業もあります。

感覚としては、BtoBの専門商社マンは既存顧客への外回り(ルート営業)の割合が多いです。

2. 仕入れ・調達業務

メーカーや仕入れ先と交渉し、必要な商品を調達します。場合によっては海外のメーカーから輸入することもあります。

  • 仕入れ先との交渉(価格・納期・品質管理)
  • 海外企業との取引(輸入・輸出)
  • 在庫管理

仕入れ先への見積依頼から、客先への見積作成提出の事務作業も商社営業マンが行う場合も多いです。

大手の専門商社であれば、分業化されており、見積関係の事務作業は事務員が行うケースが多いです。

中小の専門商社の場合、人手が限られている為、見積関係の事務作業も営業マンが行うケースも多いです。

3. 物流・貿易業務(海外取引がある場合)

輸出入を伴う場合、貿易業務も発生します。具体的には、通関手続きや船積み手配、国際輸送の管理などがあります。

  • 貿易実務(輸出入の手続き・書類作成)
  • 国際物流の管理

会社によって、海外取引の専門部署があるため、同じ会社でありながら、貿易業務に全く関わらないケースもあります。外国語力が求められるのは、このような部署に配属されるケースです。

4. 商品企画・マーケティング

専門商社はメーカーとは異なり、自社で商品を製造しない場合が多いですが、メーカーと共同で製品開発を行うこともあります。また、市場調査を行い、新たなビジネスの可能性を探ります。展示会への視察やメーカーとの勉強会等もあります。

  • 顧客のニーズを踏まえた商品開発の提案
  • マーケットリサーチ
  • 競合分析

専門商社は特定の業界に特化している為、メーカーとの繋がりは歴史が長く、深い場合が多いです。また、地元に根付いた専門商社の場合、お客さんとの繋がりも歴史が長く深い為、お客さんのニーズ調査をメーカーに頼まれる場合もあります。

近年、専門商社でも自社製品の開発・販売をする会社もあり、より高い付加価値を提供できる専門商社が求められています。

専門商社マンに求められる事

総合商社マンと共通する事はありますが、専門商社マンに求めれられる事は、下記が挙げられます。

  • 特定の業界に深い専門知識が求められる
  • 仕入れと販売の両方を担当するため、バランス感覚が必要
  • 「あなた」から買いたいと思ってもらえる人柄

特定の業界に深い専門知識が求められる

商社ですので幅広い知識や引き出しが求められますが、さらに、特定の業界に特化した専門知識が求められます。

お客様は、専門商社の営業マンに対して専門的な内容を対等に話せるかどうかをよく見ています。即答できない事は「メーカーへ確認します。」や「一度持ち帰って確認します。」で問題ありませんが、出来るだけその場で解決策や提案をすることが理想です。

仕入れと販売の両方を担当するため、バランス感覚が必要

商社は、仕入れ先(メーカー)とお客様の間を取り持つ仕事です。より安く仕入れ、より高く売れるのが理想ですが、仕入れ先への過度な値引き交渉ばかりでは長期的な良好な関係を築けませんし、お客様に対しても、他社の相見積状況や周囲を取り巻く状況を総合的に判断して、見積提示が必要になります。

商社はよく板挟みと言われますが、そこが商社の醍醐味であり、役割でもあります。

トラブル時には、仕入れ先もメーカーのどちらの言い分も、互いに正しいと主張する場面があります。

商社マンは互いの主張を尊重しつつ、事実に基づいて冷静な判断が必要です。責任区分はどちらなのか、過去の議事録等も必要な情報でしょう。

両者の立場に立って考えるバランス感覚が必要であり、両者が納得する落とし所を見つけ、仕事を前に進めるのが商社の仕事です。

「あなた」から買いたいと思ってもらえる人柄

専門商社マンは基本的には、世の中にある商品やサービスをメーカーから仕入れ、お客さんへ販売します。

つまり、お客さんにとっては、買おうと思えば「どこの商社からでも買える」とも言えます。商流が決まっているのであれば別ですが、商流が決まっておらず、他の商社からでも買える商品の場合、いかに自社から買ってもらうかが売上を左右します。

商流とは、販売ルートとも言いますが、一般的には、商品が生産者から消費者まで移動する過程で、所有権や金銭、情報が移動する流れを指します。

しかし、僕の工作機械業界でいうと、商流は、「この商品(メーカー)はこの商社から買う。(買わないといけない。)」という制度です。手配管理や価格競争防止等、いろいろ理由はありますが、近い言葉で「商権」とも良く言います。商社同士の縄張りという感じでしょうか。

例:うちが競合より早く動いたおかげで、今までで商流は決まっていなかったけど、念願のA社(お客さん)でB社(メーカー)の商権取れたぞ!

とはいえ、「あなた」から買いたいと思ってもらえる人柄というのが、1番難しいというのが本音でしょう。

真摯な対応、最適な提案、スピード感、価格、会社同士の関係性、個人間のウェットな関係性など。。。要素は様々あると思います。僕もまだまだ成長途中なので、また今度、内容をまとめて記事にしてみます!

まとめ


専門商社マンの仕事は、特定の分野に特化した営業・調達・貿易・マーケティングなど多岐にわたります。業界特有の知識が求められるため、専門性を磨くことが重要です。

また、仕入れ先と客先の間を取り持つ仕事なので、バランス感覚や「商社は人なり」と言われるように、人間的な魅力や人柄が求められる仕事でしょう。

仕入れ先、客先との関係性構築も重要であり、両者を大切にする事で、なにかあったときに、責任の押し付け合いにならず、建設的な話し合いができる存在になり、時には助けてくれる存在となります。

専門商社に限らず、商社は仕入れ先ありき、お客さんありきの仕事です。

大変な場面も多いですが、月並みな言葉ですが、やりがいも多い仕事だと思います。

それでは、また!

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